自分自身への知恵袋

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【書評】『「学力」の経済学』の感想・要約。思ったより教育や躾としての読み物だった。

(2018/4/26更新)

 

ちょうど子供が生まれた時期に、色んな本屋で平積みされていて、当時ネットでも話題となっていた『「学力」の経済学』を読んでみました。

 

表紙の帯には

・ゲームは子供に悪影響?
・ご褒美で釣るのっていけない?
・教育にはいつ投資すべき?

といった子育てをこれから行う私にとって非常に興味のある文言が並んでいました。
中身が非常に気になり購入しましたが、その内容は表紙以上に興味深いことが書かれていました。

 

そんなわけで今回は『「学力」の経済学』の要約と感想を書いていきたいと思います。

 

さて、この本は大きく以下の2つについて書かれていました。

①各家庭で行う教育について
②政府が行うべき教育政策について

 

その2点について、私が感じたことを書いていきたいと思います。

 

①各家庭で行う教育について

先ほども書きました、表紙の帯に書かれていた3点

・ゲームは子供に悪影響?
・ご褒美で釣るのはいけない?
・ほめ育てしたほうが良い?

これら全てについて統計を取った上でNOという結論を出していて、その内容を丁寧に述べています。

 

例えば「ご褒美で釣るのはいけない?」では、「お手伝いをしたりテストでいい点を取ればお小遣いをあげる」という事例を挙げて説明していました。

個人的には「お金や物で釣る様な教育はよくないんじゃ…」と思っていましたが、「お金」をご褒美として渡すことで、お金の使い方を教えると金融教育にもなると、一概にご褒美で釣る教育がNGではないことを説明していました。

  

ほめて育てることについては「頑張ったね」という努力をほめ方をすれば次も頑張るようになるのでOKだが、「頭がいいね」といった能力をほめるようなやり方だと「自分は能力があるから頑張らない」と勘違いして伸びなくなる、ということが検証されていた。
伸びないどころか厄介なナルシストが誕生してしまうと書かれていて少し笑ってしまいました。

これは気をつけないといけないな…と思いました。

 

 

この本に書かれている内容は、書店でよく見かける「カリスマママ」や「天才のママ」などが書いた個人的な教育方法とは違い、実験を試みて統計的に得た結果を書いているのでかなり説得力があります。

 

それ以外にも躾などについてもいくつかの検証結果が紹介されていました。
そのどれもが興味深く読むことができ、もっと多くの検証結果について教えてほしいという気持ちになりました。

 

②政府が行うべき教育政策

子供手当て」や「少人数制学習」はさして効果が出ていないことや、「教員免許」を持っていない人が教えても子供の成績にはさして影響が出ないという結果が海外で出ていることが書かれていました。

なんというか…これまでテレビやネットニュースなどで見聞きしてきたことが完全に否定されていてショックでした…

 

表紙に書かれている「教育にはいつ投資すべき?」についての記述がここで出てきますが、、小学校に入る前が最も大きな効果が出るとの結果が記述されていました。
これには驚きました…小学生時代の習い事が一番重要だと思っていたんですが、違うんですね。

待機児童や保育士不足など様々な問題がありますが、幼児教育の環境をもっと整えていくべきだと感じました。

 

他にも教育についての統計結果や生涯年収、政府の教育予算で使ったお金に対する学力向上(費用対効果)について書かれていて非常に興味を持って読み進めることができました。

    

最後に

この本で紹介されている内容は実際に海外で実験した検証結果ですが、日本でも同様に効果があるか試み、その結果を元に教育政策を実施してほしいと感じました。

 

そんなことをすると「子供を実験の道具に使うのか!?」と思われるかもしれませんが、実験後、子供たちへはちゃんとフォローするような仕組みがあることが記載されていました。

また、自分たちよりさらに遠い将来、自分の子供・孫・ひ孫などが豊かに暮らせることを考えると積極的にやっていくべきだと思いました。

 

ぜひこの本の続編を作っていただきたい。これを参考に子育てしていきたいと思える一冊でした。