【書評】『コミック版 世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』の感想・要約。
数年前に出版されたものの、今でも書店の特集などで平積みされているのを見かける『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』。
なんでも売上が20万部を突破したというベストセラーだとか。
それが最近(2018年3月)マンガ版として発売されました。
よく書店の特集で目に留まった事や「マンガ版だからすぐに読み終えれるかなぁ…」という思いでマンガ版を購入することにしました(それとゴールドマンとかマッキンゼーとか、MBAといった何だか意識が高そうな雰囲気の漂う単語が並んでいる啓発本を読んでみたいという好奇心もありました)。
若手や教育担当の人向けの本らしい
読み終わったときには
「こんなん当たり前のことばっかりじゃないか!」
と、若干憤慨しました。
活字版のAmazonレビューも同じような感想がたくさんあり
「あー先にレビュー読んでおけばよかった…」
と思いました。
が、改めて読み直すと若手や教育担当の人向けの本とプロローグに書かれていました(すいませんちゃんと読んでいませんでした)。
さて、そういうことで、アマゾンレビューでは「当たり前のことじゃねーか」と酷評されていた活字版ですが、マンガ版はどんな感じなのが書いていきたいと思います。
そんなことより「大切にすべき基本」が48種類って多すぎじゃない?
この本には「大切にすべき基本」が48種類書かれています。基本の48項目を抑えれば仕事がデキる人の仲間入りと感じさせるようなストーリーです。
ですが、これは例えるなら「ジムで48種類の筋トレをやれ」と言っているようなものです(ジムに行っても大体5,6種類のマシンを使って鍛える程度じゃないでしょうか)。
これ、簡単なことのように書いてるけど無茶苦茶ムズカシイと思います…
内容についての紹介と感想
今回は48種類の内容について細かく突っ込んでいくと日が暮れるので、ある程度まとめて書いていきたいと思います。
項目によってはかなり雑に書いていますが、ご容赦を。
人脈を大切にしろ、そこにかかるお金に糸目をつけるな。
上司や先輩と飲みに行け。
なんというか当たり前の事ですよね。はコミュ障ですが、上司との飲み会は基本的に断らないですし、たまーに人脈を広げようとイベントなどに参加することもあります。
意識高い系なら「こんなもん学生時代からやってたぜ」と、ドヤ顔をキメられそうです。
この本の趣旨としては、(私と同じ様な)人と付き合うのが苦手な人は、少しずつでいいので色々な人とコミュニケーションを取るようにして人脈を広げていってください。ということを伝えたいのではないかと感じました。
あと、個人的には「週に一回全然関係ない人と交流する」はやってみたいと思いました。
最近は周囲で結婚や異動などで徐々に交流する人が少なくなったので、何か新しいジャンルの人たちと知り合いたいと思っているところです。
食事や睡眠などの健康管理
運動する
健康管理は当然ですよね、社会人なんだから。
なんてことを言ってますが私は半年ほど前にゲームにハマりすぎて仕事に悪影響が出てしまいました。気をつけます、ハイ。
身だしなみを整える
書いている内容についてはほぼ同意です。最低限の身だしなみは整えておくべきですよね。
相手に譲る余裕を持つ
エレベーターなどで譲ってもらえると嬉しいですよね。
ただ、お互いに譲り合って後ろがつっかえるなんてこともありますので、周囲を見て適切に動く必要があるかと思います。
まぁ著者が言いたいのは、知ってる人、知らない人に関わらず大切にしましょうってことですよね。
「すみません」よりも「ありがとう」を言う
本書の内容は「すみません」は曖昧な言葉だから、「ありがとう」と「申し訳ございません」と、はっきり伝えましょうということです。
しかし、タイトルだけを見ると「謝罪はいらない、感謝の言葉を重視しろ」って解釈してしまいそうですが、そういうわけではないので注意して読まないと勘違いする読者が出てしまいそうです。
稀に「謝罪はいらない、それよりも先を見据えて前向きに考えるべきだ」などといったネット記事を見かけますが、「謝罪し、反省したうえで先を見据える」ことの方が重要ではないでしょうか。まぁ「相手への誠意」を伝えるように努力すればOKだと個人的には思います。
自分なりに考えて意見をもつ
ネットニュースではなく新聞をみて自分に興味のない記事を読め
ロジカルシンキングでしっかりした意見を考え出せ
まぁ社会人になったらよく言われますよね「お前の意見はどうなんだよ!?」って。
新人だったころの私は「新入社員の俺がそんなこと知るかよ!OJTなんだから教えろよ!」なんて心の中でブチギレていました。
本書では自分で意見を言えるようになるために色々な媒体を使って情報を入手し、論理的な思考を持って意見を出せるように努力をしろって言いたいんだと感じました。
本は「読んだら終わり」ではなく、しっかり考えるべきである
この内容はその通りだと思いました。
自分も読んだらお終いということが多かったので、これからはこの記事のような感想をブログに載せて、しっかりとした意見をアウトプットしていこうと思いました(続けられるかどうかは分からないけど…)。
ただ、本の内容は3倍考えろって書いてのはどうかと思います。普段2時間考えるんであれば6時間考えろって書いてるんですが、さすがにそれは疑問符が付きます。
ガンダムじゃないんだからなんでも3倍にしときゃいいもんでも無いと思います。
ポイントは3つにまとめろ
まぁその通りですよね。相手に話すときはポイントをまとめとかないと何が言いたいのか意味不明ですし。
ついでに突っ込んでおくと「48種類の基本」ではなく「3種類の基本」にまとめて紹介してもらいたかったです。
始業一時間前から準備する
やることは前日にまとめて、翌朝は確認するだけ
始業一時間前に出社とか無茶言うなよって感じです。私は満員電車が嫌なんで一時間半前に出社してますが、他の人に「一時間前に出社しろやオラァ」なんてことは言いたくないです。
ただ、朝早めに出ると人が少なくて集中できますし、頭もよく回ります。それでも、せめて20分前出社とかでもいいんじゃないかと思います。
休日の最後に仕事の予定を確認してオンモードに切り替える
いや…日曜の夜に仕事の確認とか…サザエさん症候群なんてレベルじゃないぐらいに気分が沈んじゃいそうです。
嫌な仕事とかあったら翌朝は布団に立てこもってしまいそう…。
仕事に優先順位をつける
10分前行動を厳守
これらもやはり社会人として当たり前のことですよね。
この本で紹介されてることって全部当たり前のことだけど、新卒の人に対して一気に言ってもできないと思います。時間を掛けてできること、できないことを洗い出して、直していくのが重要じゃないでしょうか。
そう言う意味では新卒向けの本ではなく、新人教育担当向けの本かもしれないですね。
3秒以内にノートを取れる場所に置いておく
これ、3秒って長くないですか?机の上においておけば1秒でとれるでしょ?
自己投資の時間を作る
これって難しいですよね。どこまでが自己投資で、どこまでが趣味なのか。
外国語を学んだり、資格を取ったりするのは誰が見ても自己投資といえるでしょう。
筋トレが好きな人は自己投資と趣味が兼ね備えていると思いますが、筋肉マニアな領域まで鍛えている人はどうなんだろーって思います。
海外旅行が好きな人も、知見を広げるにはいいかもしれないけど、果たして仕事に繋がってくるかと言われると微妙です(人脈は広がりそうですけどね)。
5W1Hでイメージする
出ました。そこら辺でよく聞く5W1Hです。
これ、単語は頻繁に見かけますが実際に仕事で使われたことを見たことがほとんどありません。職種によりけりなのかなぁ…?
仕事を引き受けたら5分限定でやってみる
「ちょっとだけやってみて、どんな感じか教えて」と後輩に言うことは私もよくやります。
反対に私が支持を受けた場合も、5分ほどやってみて「ヤバそう」って感じたら即報告するようにしています。
これ、個人的には重要だと思ったりしています。
上司との報連相を蜜に取る
もはや当たり前すぎることです。
「聞かれる前に報告しろ」といった基本的なことから「上司からの質問に答えられるように仮説をたてろ」と言うのは個人的に好きな内容でした。
自分は新人の頃、よく上司に質問攻めにあって答えられないことが多々あったので、報告前にどんな質問をされるかシミュレートしてから報告する人間になりました(今思えばあの上司、わざと質問しまくってただろ…!)。
続いて会議やプレゼン資料の作り方について書いてます。
ストーリーを意識して作成する
下書きに時間をかける
白黒で見ても説得力のある資料を作る
細部まで徹底し、最後の確認は怠らない
自分の商品だと心得る
「基本」というより細かすぎる注文に見えてきます。
いや、どれも重要です。私も新人の頃に作成した資料はよくダメ出しされましたが、上記のことはよく突っ込まれたものです。
特に最後の確認は今でもよく怠るので注意したいです。
(…結構この本意識付けという意味では良いじゃん。って思ってきました。)
会議はホワイトボードの前に座る
会議で発言しないのは欠席と同じ
ホワイトボードはちょっとよく分からないです。先輩や上司にホワイトボードの前を譲るべきか悩ましいところですよね。これはケースバイケースではないでしょうか。
発言については頓珍漢なことを言ってしまうと逆効果なので考え物です。
これについては「会議でスマートに見せる100の方法」という非常にすばらしい本があり、それの紹介記事を書いていますので、ぜひ確認してもらえたらと思います。
【書評】『会議でスマートに見せる100の方法 』の感想・要約。意外と使える良書かもしれない - 自分自身への知恵袋
メールの返信に気を使う
「すぐに返信すべし。考えないといけない場合はその旨を伝えるメールをすぐに返すること」 という内容ですが、まぁ当たり前すぎてなんともいえません。
英語の勉強は目標を設定し、論理的にコミュニケーションを取れるようにする
なんで英語限定なのか謎です。中国語じゃだめな理由をぜひ教えてほしいです。
目標を設定することもロジカルなコミュニケーションは英語に関係なく当たり前ですよね。
とは言いつつも私も英語を使いこなせるようになりたいです。
愛国心をパワーにする
なぜかいきなり愛国心なんてワードが出てきてビックリです。
グローバルな人材として「ジャパンブランドに自信を持て」って言いたいんでしょうけど、この本を読んでる人でグローバルに羽ばたいてる人間なんてほとんどいないでしょう。
私の働いている会社なんて海外製品を日本に持ち込んで売っていこうなんて検討もしています。
何はともあれ、著者が「愛国心」という単語を使ってしまったがために変な団体に目を付けられないか心配です。
ひとつ上のポジションを意識して仕事をする
まあスモールゴールって言葉もありますし。ワンランク上のポジションに立てるぐらいの実力があるんだぞっていうのは見せ付けておきたいですよね。
個人的な話ですが、私は向上心が年々下がってきてるので、ここはもうちょっと努力せねばと思いました。
会社は退学ではなく卒業する
なんだかアイドルグループみたいですね…。
個人的には逃げるように辞めてもいいと思います。逃げるように異動願いを出したら、次の部署では凄まじく仕事ができる人になっていたなんて話はよく聞きますし。
まぁそこで得れるものを得たら次に行っていいと思います。得られた段階でいつ辞めても「卒業」と言えるのもしれないですね(今なんかちょっといいこと言った気分です)。
自分用のノートを持ち歩く
ビジネス手帳みたいなものですよね。私はタブレットを持っていますが、エクセルで色々ほしい物ややることリストを書いて自己管理しています。
まとめ
以上です。48項目をまとめて雑に紹介するつもりが結構な長文になってしまいました(現在エディタの文字数が5000文字を超えています)。
さて、マンガ版は活字版と異なり、イラストやストーリーがあるため、活字よりイメージしやすいのが良いところです。
様々な本のマンガ版が出版されていますが、本書はこれまでに読んだマンガでわかるシリーズの中では抜群にイメージしやすかったです。
頭でイメージできた上での活字での説明となり、かなり頭の中に入りやすい表現となっていました。
まぁ「こんなマンガ通りにいけば誰だって人生苦労しねーよ」と突っ込みたくなりますが…
冒頭にも書いた活字版のアマゾンレビューに「こんなん当たり前のことじゃねーか」っていうレビューが多かったことや、マンガ版でも「基本」の48種類は全て網羅されていることを考えると、マンガ版で十分な内容だと思いました。
何よりマンガ版だと読みきるのに時間がかからないのが大きなメリットです。
興味のある方はぜひ一度手にとって読んでみてはいかがでしょうか。