【書評】『マンガでよくわかる 教える技術』の感想。ストーリー仕立てて分かりやすい内容でした。
先日、新人を教育する担当になり、社員教育関連の書籍を探すことにしました。
様々な社員教育用の書籍は出版されていますが、書店を歩き回っていて目に留まったのが
『マンガでよくわかる 教える技術』
です。
活字が苦手な私にはもってこいの一冊だと思いました。
さて、そんなわけで実際に読んでみた感想を書いていきたいと思います。
ちなみに本屋を探し回ったものの最終的には電子書籍で購入しました。
今回は以下の流れで書いていきたいと思います。
・おおまかなあらすじ
・マンガと活字の割合
・感想(良い点)
・感想(悪い点)
・おわりに
大まかなあらすじ
本書は『マンガでよくわかる 教える技術』を元に作成された漫画となっています。
アパレル店員として活躍している主人公が、店長になるものの売り上げは上がらず、個性的な部下が多くなかなか思い通りに動いてくれない…
そんな折、日課のランニングで知り合った人から「教える技術」を学び、部下たちひとりひとりに合った教育を行い、店の売り上げを伸ばしていく。
というサクセスストーリーです。
様々なタイプの部下が登場し、その部下ごとに合った教育方法が紹介される。というところが非常に参考になりました。
漫画と文字の割合
「マンガでわかる」シリーズは意外と活字が多く、
「マンガより活字が多くてなかなか読み進められない…」
となることもあります。
本書はそういったことはなく、活字で集中力が切れそうなタイミングでイラストやマンガが挟まれている印象でした。
ボリュームについて
マンガでわかるシリーズだけあり、サクサク読み進めることができました。
活字のビジネス書の半分ぐらいの所要時間で読み切ることができるのではないのかな?と感じました。
原本である活字の『マンガでよくわかる 教える技術』を読んでいませんが、おそらく原本の要点などはしっかり伝えているように感じました。
マンガシリーズで稀に見かける、変なストーリーに走って訳が分からなくなることもなかったです。
感想(良い点)
紹介されている内容のひとつひとつは様々な自己啓発本や、ブログ、ニュース記事などで見かけたことがあるかと思います。
一見すると「どの内容も、どこかで見たことがあるぞ」と思ってしまうかもしれませんが、それらが「教育書」として集約され、さらにマンガでストーリー化され、説明も視覚的になり、具体的な取り組み方法も書かれていることで、非常にわかりやすく、理解しやすい内容となっていました。
本書は
「『2割のできる社員と、8割のそうでない社員』のうち、8割の社員をできるようにする。」
という内容ですが、個人的には
「『2割のできる社員、6割の平均的な社員、2割のできない社員』のうち2割のできない社員を平均的な社員に底上げする」
ための書籍のように感じました。
これは批判的な意味ではなく、昨今から問題になっている「人件費だけを貪るぶら下がり社員」の力を伸ばすということは会社としても重要なことではないかと思います。
また、部下や社員の教育ということを謳った本書ですが、子供やセルフマネジメントにも応用できると感じました。
例えば
「大きな目標を設けるだけでなく、スモールゴールという小さな目標をコツコツこなしていき、やがて大きな目標を達成させる。」
と言ったことが書かれていましたが、これは子供の教育や自分自身の目標達成に対しても非常に有効な考え方だと感じました。
感想(悪い点)
「行動科学メソッド」という学問のように感じるネーミングを使っていますが、本書で紹介している内容について
「この教育を実施する前と後では、売上がこれだけ伸びました」
や
「顧客満足度が何%向上しました」
といった数値やグラフなどを使った紹介がなかったので、そういった事例も合わせて紹介してもらえれば、より理解を深めることができたのではないかと思いました。
原本である『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』のアマゾンレビューでも「学術的根拠に欠ける」と言った評価が多かったようです。
「行動科学メソッド」と謳っているのであれば、活字でもマンガでもその辺りの記述は多少盛り込んでほしかったです。
おわりに
マンガというだけあってイメージが非常に掴みやすく、すらすらと読み進めることができ、理解しやすい本でした。
私は電子書籍で購入しましたが、マンガパートは文字が小さすぎて全く読めないといったこともありませんでした。
これから新人教育をするにあたって、実践できそうなところはどんどん取り入れていきたいと思えるようになる一冊でした。
ではでは。